ドジョウのわな
ネギやゴボウと一緒に割り下で煮て卵で閉じれば柳川鍋、生きたまま豆腐と一緒に鍋に入れて徐々に加熱すれば地獄鍋となるのがドジョウだ。
唐揚げにしてもよし、蒲焼きもよし。ドジョウは江戸の郷土料理のひとつだ。カルシウムはうなぎの九倍で、良質なたんぱく質を含んでいながらカロリーはうなぎの3分の1。ビタミンDやコラーゲン、鉄分も含んでいる。
表面のネバネバしたぬめりには血液をきれいにして細胞の働きを活発にするコンドロイチン硫酸が含まれている。中国の薬膳書には「体を温め、生気を増し、酒をさまし、痔を治し、強精あり」と書かれているという。
江戸っ子と同じように「どぜう」が大好きなのが佐渡のトキ。ところが過ぎたるは及ばざるが如しで、ドジョウが大好物のメスがこのほど、プール内で反り返るようにして転倒した。佐渡トキ保護センターの職員は栄養失調と判断、ビタミン剤を注射したところ、回復したという。ドジョウにはビタミンB1を壊す成分も含まれており、食べ過ぎると栄養失調になってしまうのだという。同センターではドジョウのほかに馬肉やニンジン、ビタミン剤を加えた人工飼料をトキたちに与えているが、倒れたメスはドジョウばかり食べていた。トキのビタミン不足は今回だけではない。昨年1月には放鳥に向けて訓練中だった3羽、3月にも1羽にビタミンBの欠乏と思われる症状が確認され、訓練を中止した。偏食は人間ばかりかと思っていたが、トキにもあった。
「人間が自然環境を壊したために日本のトキは絶滅した」と言われてきた。仮に自然環境が昔に戻ったとしても、自分の体にどんな栄養が必要なのかも分からず、ドジョウばかり食べてひっくり返っているような鳥がこの先、自然界で生き残っていけるのだろうか。
ドジョウは栄養豊富であっても、そればかり食べているとビタミンB1不足になる。ドジョウ総理は財政再建派であっても、そればかりに目を向けていると日本経済が活力不足に陥る・・・ということにならないだろうか。