グラウンド復旧
新潟・福島集中豪雨災害で水没した三条・燕総合グラウンドの整備作業には、延べ1700人を超えるボランティアが協力した。三条、燕両市の野球、陸上、サッカー、テニス、ソフトボール、グラウンドゴルフ、凧協会などの選手や関係者、さらには県央内外から駆けつけた個人ボランティアなどだ。
年齢層はスポーツ少年団の小学生から中高校生、6、70代まで幅広い。泥が乾き始めた8月3日から作業を始め、お盆の13日には最多の457人が参加。16日までの参加者累計は1773人に達した。
普段はおとなしい表情しか見せない信濃川が、濁流と化したときの力はすさまじい。グラウンド内にあった鉄製のサッカーゴールは恐竜に体当たりでもされたかのようにグニャリとたわみ、1基は1㌔以上、下流の石上大橋付近まで流された。グラウンド内のフェンスやベンチには大小さまざまな流木がからみ、グラウンドには厚さ10㌢以上の泥が堆積した。乾いた泥は分厚いチョコレートやチーズのようになる。大きな塊は手で、細かなものはスコップでトラックの荷台や一輪車に投げ入れ、集積場所にまとめた。
陸上競技場脇にあった、ねじ曲がったサッカーゴールの周囲には、大量の堆肥のようなものが溜まっていた。隣には汲み取り式のトイレもある。グラウンドが水没したとき汚物も流れ出たかもしれない。グラウンド内の泥は乾いているのに、こちらは13日になっても乾かない。近付くとかなり臭い。トイレの汚物にたかるような虫たちもいる。さすがにどのボランティアも手をつけたがらなかったが、16日になってサッカーチームの指導者や中学生たちが山を崩し、チームの指導者が運転するダンプの荷台に積み込み始めた。
堆肥のなかからはミミズやカエルにとどまらず、トカゲやヘビまで出てきた。中学生たちは「くせー」「わー、きもちわりー」と叫びながらも作業を続けている。荷台に投げたはずの堆肥がダンプの反対側にこぼれ、頭からかぶった生徒は「ぎゃー、きたねー」と騒いでも、作業はやめようとしない。男性指導者たちはもちろん、若い母親も臭いや虫を嫌がらない。堆肥の山をわずか半日で片付けた。
水害は大きな爪あとを残した。死者を出したうえに住宅が壊れ、田畑も被災した。嫌なことばかりだが、個人的にはボランティアに励む中学生チームの姿に感動する機会を得た。ざまみろ、水害!