雪は消えても課題は消えず~除雪の苦悩~
三条市の今冬の除雪費用は4億円を超える。にもかかわらず除雪をやめたがっている業者も多い。負担が大きいからだ。
今冬の除雪請負業者は三条地区が43社、栄地区が10社、下田地区が12社の計65社。前年と比べると1社少ない。市が業者に支払う待機料は除雪車一台当たり33万6000円。このほか除雪車の大きさや出動時間帯、出動時間に応じた除雪委託料を支払っている。
待機料は車検費用で消えるため、減価償却費などは出ない。出動時間が少ない年は赤字になる。市は委託業者を確保するため毎年、シーズン前に業界を回って協力を求めているが、それでも年々、受託者は減っている。
今冬は三条地区の場合、1月だけで8回、一斉早朝除雪を行った。ほかに圧雪処理などにも出動している。1月の除雪委託料が1000万円前後となった業者もいる。赤字の心配はなくなったものの、従業員の高齢化が進んでいるため、忙しすぎて運転手や助手の確保に四苦八苦している業者もいる。
深夜や早朝に出動した従業員には手当を支払わなければならない。かといって委託料はすぐには市から振り込まれない。資金のやり繰りに苦労している業者もいるため、市は通常なら2月末に振り込む1月分の委託料を、早めるようにした。
合併前の平成4年度、三条、栄、下田各市町村の投資的経費は約114億円だった。大半は工事費として業者に支払われた。公共工事が地域経済のけん引役のひとつとなっていた。
バブル崩壊後、投資的経費は一挙に減った。21年度決算額では62億円。17年前のほぼ半分だ。
地元の業者数はそれほど変わりがないのに17年前は114億円分の仕事をしていた。いまは62億円分しか仕事がなくなっている。従業員数も減らさざるを得ない。当然、除雪作業従事者も減っている。
「金融機関に来期の見通しを示せと言われたが、入札結果次第なのが建設業の世界。談合をしない限り、これだけ受注する予定ですなどと言えるわけがない」。
建設業は市場が狭くなっているうえに製造業や卸売業、小売業とは異なる事情もある。こうした状況でこの先も従来通り除雪ができるのかどうか。除雪機械のリース活用や、除雪協力者が有利になる入札制度なども検討しなければならない。